新卒2年目で社会人大学院生になった
正確には科目履修生ですが。2024年度から東京都立産業技術大学院大学(AIIT)の単位バンク生になり、大学院の授業を履修している。ちょうど1Q(筑波でいう春AB)が終了したので振り返りたい。
社会人になって1年が経過するが、こんな早く大学に帰ってくるとは思わなかった。なぜこのようなことになったのか。大きな理由は2つあって、「学位がないことを理由にいろんなことを諦めるのをやめよう」と「この職場から抜け出してエンジニアになりたい」を叶える手段として、当時すぐ簡単に選べたのが社会人大学院だった。詳しい経緯は時がきたらその時に書くことにする。社会人大学院を真剣に考えたのが3/1、AIIT単位バンク生の応募開始が3/4だったから本当に運が良かった。チャンスは突然降ってくる。そのチャンスを確実につかむため、日々研鑽を重ねなければならない。
自分はもしストレートに院進していたらM2という年齢である。社会人大学院って30歳前後の人が通うものだと思ってたし、実際受講者の最年少は自分だったと思う。まあ大学院はできるかできないかだけで評価されるから問題ない。もう私に残された時間は少なく、決断を躊躇う暇などないのだ。
入学した感想
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勉強楽しい
勉強楽しい!学ぶ前と後とで必ず成長しているから、勉強って分かりやすくていいよね。
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生活に彩りとメリハリが生まれる
自分の仕事内容って、3時間判子押し、3時間書類の内容を手入力、2時間各所と連絡をとるって感じなんですね。そういう生活に授業があると日常の充実度が上がるように感じた。特に、勝手に一週間が終わる、みたいな感覚が減ったのが大きい。
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情報学をほぼ初めて他人から教わった
自分が初めてプログラミングに触ったのがB2のFortranで、そこから自分でPythonとC++を、研究室でシェル芸を学んだが、ほとんど独学だったし、習ったのはプログラミングの記法だけだった。なので情報学の根底に流れる思想とか、そういうのに触れることが出来たのがよかった
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自分がレポートを出さない人間であることを思い出した
出席点が足りなかったりレポートを出さなかったりでDを取り巻くっていた学部時代のことを入学してから思いだした。実際出席点はギリギリだったと思う。
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90分授業が初なので集中が切れる
75分授業をやってきてたから90分授業が長い。
AIITについて
専門職大学で修士(専門職)が貰える。都立。高度専門職給付金制度を使うと2年間で50万で修士が貰える。まじで偉い。新しめの大学なので諸々の基準がしっかりしている。
研究者を育てる大学ではなく、技術者を育てる大学があってもいいよね、というコンセプトだと説明会で聞いた。これは本当にそうで、修士課程までは「教育」なんだよね(博士は分かんない)。研究というプロセスを通して成長しましょうってのが修士課程。だから、修士研究の結果が学問にどういう寄与をしたかは置いておいて(なのでCS修士はない)、専門知識・技術を用いて未知の課題に取り組む経験をしたなら修士課程を修了したと言えて、それが専門職大学なんだろうなと思った。
説明会や授業を受けた感じ、万人に開かれていると強く思った。自分みたいな公務員系もいるし、40過ぎたおっちゃんもいる。男女比は5:1で、地球学類とそんなに変わらない。授業を受けたければ単位バンク生制度で気軽に受けられる。安い学費で修士相当の学位が貰える。仕事や家庭がある人でも学修しやすい。これらがどれだけ貴重で、豊かであるか。学びたい人が学べる場は本当に大切だけど、そういうところってあまりないよね。これを作って維持してきた都民の皆様に感謝。
授業科目について
情報アーキテクチャ特論Ⅰだけとっている。開発思想から通信、アルゴリズム、WWWまで、情報科学分野を幅広く扱う導入科目。言ってしまえば応用情報のテキストみたいなことをやっている(実際、応用情報と同じ形式の問題もあった)。アーキテクチャの部分は全く知らなかったし、知識のムラを整えることが出来てよかった。ダイクストラ法も扱ってて嬉しい。先生も自分には合っていたしいい人だった。評定は4、いわゆるAでした。よかったー。
2Qはシステムプログラミング特論をとる。Python大嫌いとは馬が合わないのでちょっと不安だけど、まあなんとかなるでしょ。
おわり
なんかAIITの感想みたいになってしまった。一科目しか履修してないけどすごくいい大学だったので、来年入学するだろうなーという予感はある。でも、研究がしたいなーって気持ちもあって、そうなるとAIITは自分には合わないだろうなとも思う。どちらにせよ、アカデミアに帰るだろう。後悔しないようにね、と研究室の先輩から言われてしまったので、やりたいこと全部やるつもりでやる。